2013年12月20日~22日、冬季五輪が開催された聖地・長野スパイラルを訪ねる旅をしてきました。目的はボブスレー全日本選手権を観戦するため。下町ボブスレー1・2・3号機が走りました。今回は試走から観戦したかったため、先発隊の(株)フルハートジャパンの國廣社長、(株)エースの西村社長、(株)昭和製作所の舟久保社長と弊社Girittoと私はご一緒させていただきました。

東京駅集合


【12月20日(金)】
東京駅から約1時間半。軽井沢を過ぎたあたりから雪深い風景に変わっていきました。長野駅到着後は、レンタカーをチャーターしてお昼ご飯。おいしいお蕎麦を頂きました。
その後、長野スパイラルへ。 総延長1,700m、標高差113m、管理棟、会議室、スタートハウス、計量棟、格納庫からなるボブスレー、リュージュ、スケルトンの公式競技場です。

管理棟の駐車場へレンタカーを置いて、雪山をてくてく登っていきました。目指すは競技場トップ。しかしこれがキツイ…。雪道を30分歩きます。ゼーゼーハーハー息を切らしながら必死に登りました。

雪道を歩く


なんとか到着したらすでに試走開始10分前でした。アブナイ、アブナイ…。
先週、右足肉離れをおこしたパイロットの脇田寿雄さんは、下町ボブスレー2号機に搭乗したままでスタート。
ブレーカーは中央大学の中村一裕さん。陸上、円盤投げ出身のスプリンターで、186cmの長身でパワーがありそうです!
祈るような気持ちで試走を見守っていました。

脇田さん試走


今回下町ボブスレーに搭乗してくれる選手は以下のとおりです。
●1号機
パイロット
押切 麻李亜(おしぎり まりあ)19歳
ブレーカー
指田 紗貴(さしだ さき)20歳

●2号機
パイロット
脇田 寿雄(わきた としお)48歳
ブレーカー
中村 一裕(なかむら かずひろ)23歳

●3号機
パイロット
徳永 翔(とくなが しょう)28歳
ブレーカー
和久 憲三(わく けんぞう)29歳

試走観戦後は、ホテルにチェックイン。夕食は下町、選手、メディア関係者を交えた懇親会でした。その後有志は4次会まで行ったとか…(^ω^)

【12月21日(土)】
本日、選手のみなさんはオフ。自主トレのため、トレーニングルームで汗を流したようでした。舟久保社長は選手たちと一緒にトレーニングへ。ヽ〔゚Д゚〕丿スゴイ

西村社長は朝からメディア対応です。明日の全日本選手権必勝祈願のため、善光寺へお詣りに行きました。Girittoと私も同行させていただきました。帰りはお土産屋さんをぶらぶらのぞきながら長野駅まで歩き、お蕎麦屋さんで昼食。國廣社長も後から合流しました。

善光寺



その後、3社長はメディア対応、Girittoと私は長野駅近辺のお店巡り。途中、冷たい雨が降ってきたので、急いでホテルへ戻りゆっくり読書です。
夕飯は、明日の全日本選手権の健闘を祈って、またまた懇親会。選手のみなさんは明日に備えてソフトドリンクで乾杯です。國廣社長が音頭をとられて、応援の練習もしました。
夜遅くプロジェクトリーダーの細貝社長、(有)東蒲機器製作所の高橋さんも到着しました。

懇親会2日目



【12月22日(日)】
いよいよ全日本選手権当日を迎えました。大田区からバス一台をチャーターして40名近い応援団が合流。長野の「浅川スパイラル友の会」会員の方々も駆けつけ、熱い応援を送っていただきました。応援用のプラカードを作ってきてくださり、休憩所ではりんごやお漬物も振舞ってくださいました。また、バス組は、30kgものりんごのお土産もいただいたようです。
また蒲田の工学院専門学校、大森のマミフラワーデザインスクールの寄せ書きの横断幕も、応援に花を添えてくれました。

思い出


みんなの夢を乗せて下町ボブスレー1・2・3号機が滑走!
大田区中に激震が走った下町ボブスレーソチ五輪不採用の通知から1ヶ月。
「下町ボブスレーは本当に遅いのか?」
それを実戦で検証するために。

10年ぶり、長野以来の公式戦出場となるパイロットの脇田さん。4大会連続冬季五輪代表選手だったスーパーアスリートです。しかし右足肉離れのため、なんと「片足ケンケン走り」からの2号機滑走です。パワー全開の若手のスプリンター、中村さんが一気に押し出します。スタート時に5位だったのがコースを進んでいくうちに4位、3位と加速していき遂に2位に!

脇田さん全日本


パイロットの技能の凄さとブレーカーの身体能力の高さに感動!( ;∀;)
お二人が到着したところを確認すると思わず涙…。
表彰台に登った姿を見てまた涙…。

表彰式


その後、ブレーカーの中村さんがメダルをかけてくださるという嬉しいサプライズもあり、さらに涙…。もう顔がぐちゃぐちゃです…。

メダルかける


3号機の徳永・和久組は5位入賞と健闘。残念ながら1号機の押切・指田組は失格でした。60秒以内に15メートル先のスタートフォトセルを通過しないと失格となってしまうのです。

1位はダントツで全日本チームの鈴木寛・宮崎久組、3位はやはり全日本チームの小林竜一・黒岩俊喜組。その中でベストコンディションではない状況でも、2位に食い込んだのは選手の技能の高さとソリの速さを十分に証明できた結果だったのではないでしょうか。

この下町の選手たちを下支えしてくださったのが、昨年の全日本女子2人乗りで優勝したブレーカーの浅津このみさん。そして先週のチャレンジカップに出場し、全日本選手権には自ら手を挙げ選手としての出場を辞退して、裏方に徹した窪田豊彦さん。
素晴らしい方々が、下町ボブスレーを支えていただいていることを改めて実感しました。
(右前列から浅津さん、徳永さん、和久さん、後列右から中村さん、窪田さん)

集合写真


脇田さんが先日、おっしゃっていた言葉を思い出しました。

オリンピアンには3つの精神がある。
EXCELLENCE(エクセレンス) 卓越していること。
TEAMWORK(チームワーク) 各人の声に耳を傾け、信頼しあい協力するよう取り組むこと。
RESPECT(リスペクト) 尊敬すること。


下町ボブスレーを通してたくさんのことを教えてもらった気がします。
生涯忘れられない長野の旅になりました。
お世話になったすべてのみなさまに心から感謝申し上げます。

#弊社Girittoがたくさんの素敵な写真を撮ってくれました。ありがとうございましたm(__)m

#12月25日、全国書店にて発売になります。「下町ボブスレー」の800日に及ぶ記録が綴ってあります。
下町ボブスレー 僕らのソリが五輪に挑む-大田区の町工場が夢中になった800日の記録- (B&T.../奥山 睦

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