2014年も残すところあと僅かになりました。そこで改めて時系列に振り返っていこうと思います。

1.病気発症
5月の連休明けに、高血圧、糖尿病、脳梗塞を発症しました。右半身が麻痺し、2週間寝たきりで動くことができませんでした。
生まれて初めて命が有限であることを、意識しました。それまで病気らしい病気をしたことがなかったため、本当に骨身にしみる辛い体験でした。 それでも生きることを諦めない強い気持ちがありました。

そして8ヶ月を経て、8kgの減量に成功し、血圧、血糖値、コレステロール値も大きく改善しました。まだ鼻の周りに若干の麻痺が後遺症であるものの、現在は普通に日常生活を送れるようになった幸せを噛み締めています。

2.食事療法の徹底
5月からほぼ毎日、お弁当持参で会社に通いました。コレステロール、塩分、糖質に注意したメニューに日々腐心しました。

3.継続的な運動療法
病気発症から1ヶ月目は、歩くことが目標でした。そして食生活を徹底的に見直すとともに、運動療法として水中ウォーキングを始めました。
当初は週4回フィットネスクラブに通い、現在は週2回ペースで体調コントロールに努めています。

4.学会発表
病気発症から3ヶ月目に出張に行くことができました。低血糖の発作が起きて、ベストコンディションではなかったものの、北海道の地域活性学会で発表することができました。そしてここで、法政大学大学院政策創造研究科でかつてお世話になった、中嶋聞多先生を介して、慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司先生とお会いしたのです。

5.大学院博士課程進学決定
食事療法、運動療法で徐々に体質改善の成果が出てきたので、次は学習療法で脳を鍛えようと思いました。

地域活性学会でお会いした慶応の前野先生のところへご相談にうかがい、大学院博士課程の進学を決意しました。その後、一次試験、二次試験を経て、6ヶ月経った10月21日に慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科後期博士課程に合格しました。来年4月からの進学が決定したのです。

6.新たな大学で教鞭を執ることに
病気発症から7ヶ月目の11月21日。ひょんなご縁から、来期4月から日本女子大学家政経済学科で、非常勤講師として教壇に立つことが決まりました。

7.書籍出版
11月22日、『大田区の法則』という地域エンターテインメント本を出版しました。7月初旬、リンダブックスから書籍の執筆の話をいただき、恐る恐るですが、取り掛かり始めました。
今年は体調を大きく崩したこともあり、書籍出版を半ば諦めていました。ところが21名の「大田区の法則研究委員会」とした協力者のみなさまからご支援を得ることができ、出版することが叶いました。

11月30日には、蒲田にて「大田区おたく」という今や2000名を超えるFBのコミュニティのみなさまから出版のお祝いもしていただきました。本当にありがとうございました。

8. 見えない障がいと戦うために
1ヶ月ごとの短期目標をクリアして、ようやくここまで来ることができました。
私は幸いにして、言語や思考や記憶の障害が、病気を発症した頃からまったくなかったため、外面上は病気であることがなかなか理解されませんでした。それゆえ、精神的にも肉体的にも、対外的には健康そうに見えることから、何度か辛い思いをしてきました。

たとえばかなり肉体的にはシンドい状況でも、表面的には現れないため、話すことを際限なく要求されることがあります。帰宅後、疲労とストレスが限界に達し、過呼吸で倒れてしまったりしたこともありました。

私のような障害者手帳はもらえないけれど健常者とも言えない福祉制度の狭間にいるような、「見えない障がい」と戦う人たちはきっとたくさんいるのではないでしょうか。
私はその人たちのために、そして自分自身のために、これからできることを考えていければと思っています。それが来年からの私の目標のひとつでもあります。

以上、簡単ですが今年を振り返ってみました。来年も体調に留意し、一歩一歩歩いて行く所存です。どうぞ来年もよろしくお願い申し上げます。

奥山 睦 拝